京都市の西、嵯峨の釈迦堂の名で親しまれている古刹「清凉寺」の境内で執り行われる「嵯峨大念佛狂言」は、国の重要無形民俗文化財に指定されている民俗芸能です。すべての役者が面をつけ、台詞がなく、身振り手振りだけで芝居が進行する点に大きな特徴があります。現在は、約二十番の演目が継承されています。
その歴史は古く、言い伝えでは鎌倉時代に融通念佛をひろめた円覚上人道御の創始とされています。歴史的な資料からみても、嵯峨大念佛狂言には室町時代(享禄2年[1529])の銘を持つ面が伝わっており、すでに500年近い歴史を有していると考えられます。この他にも、桃山時代の優秀な面打師であった喜兵衛の刻銘を持つ女面≪深井≫や、和宮降嫁の説得にあたった、宮中女官、高野房子の菩提を弔うために奉納された装束など、美術的にも宗教史的にも価値の高い数々の資料が伝わっています。
嵯峨大念佛狂言保存会では、公式のYoutubeチャンネルを開設いたしました。こちらのチャンネルでは、最新の公演の内容などを順次、配信してまいります。
ご興味をお持ちの方はぜひご登録下さいませ。
明治34 年(1901)に現在地に移設された狂言堂は、京都府・市文化財保護課の指導による建物調査により、緊急の修復が必要と判断されました。
そして嵯峨狂言堂は文化庁からの着工許可が出された平成28 年11 月より工事に入り、平成30 年9 月末日に修復工事の完了を迎えることができました。
保存修復寄付金のご協力をいただいた皆様方や、保存修復工事に関わっていただきました皆様方に心より御礼申し上げます。
<写真パネル展>
京の伝統芸能とその衣装・用具の製作を支える人々
期 間: 2023年11月25日(土)~12月8日(金)
一般の方も歓迎・入場無料
開館時間: 平日:8:30〜20:30・土曜:8:30〜18:00(日曜休館)
場 所: 京都精華大学 情報館1F
〒606-8588 京都市左京区岩倉木野町137
【最寄り駅】
1)京都市営地下鉄「国際会館」駅からスクールバスで約10分
2)叡山電鉄「京都精華大学前」駅から徒歩すぐ
※大学に駐車場はございません。ご来場の際は公共の交通機関をご利用ください。
アクセス情報ウェブサイト
https://www.kyoto-seika.ac.jp/access.html
嵯峨大念佛狂言の定期公演について
春(4月)と秋(10月)の定期公演と、清凉寺お松明式(3月)、渡月橋上流にて開催される嵐山もみじ祭(11月)などで公演を行っております。
狂言堂は清凉寺境内の西北にあります