京都市の西、嵯峨の釈迦堂の名で親しまれている古刹「清凉寺」の境内で執り行われる「嵯峨大念佛狂言」は、国の重要無形民俗文化財に指定されている民俗芸能です。すべての役者が面をつけ、台詞がなく、身振り手振りだけで芝居が進行する点に大きな特徴があります。現在は、約二十番の演目が継承されています。
その歴史は古く、言い伝えでは鎌倉時代に融通念佛をひろめた円覚上人道御の創始とされています。歴史的な資料からみても、嵯峨大念佛狂言には室町時代(享禄2年[1529])の銘を持つ面が伝わっており、すでに500年近い歴史を有していると考えられます。この他にも、桃山時代の優秀な面打師であった喜兵衛の刻銘を持つ女面≪深井≫や、和宮降嫁の説得にあたった、宮中女官、高野房子の菩提を弔うために奉納された装束など、美術的にも宗教史的にも価値の高い数々の資料が伝わっています。
2023年度に嵯峨大念佛狂言保存会が取り組みました、新調衣裳・用具やものつくりからの文化や伝統芸能についての冊子「京の伝統芸能とその衣裳・用具の製作を支える人々」が完成しました。
当冊子は「お松明公演」や「春季公演」などの公演で、支援募金していただいた方に進呈いたします。
嵯峨大念佛狂言保存会では、公式のYoutubeチャンネルを開設いたしました。こちらのチャンネルでは、最新の公演の内容などを順次、配信してまいります。
ご興味をお持ちの方はぜひご登録下さいませ。
鹿王院の夜間特別拝観の期間中、下記の日程で出張公演いたします。
鹿王院 夜間特別拝観の詳細はPDF版のチラシをご参照ください。
お問合せ先 075-600-2865(鹿王院夜の特別拝観 実行委員会)
<場 所>
仏牙寺 鹿王院 (事前予約制)
<日程・演目予定>
●2024年11月17日(日)
18:00~ [ 釈迦如来 ] (若葉会による公演)
19:00~ [ 土蜘蛛 ]
●2024年12月08日(日)
18:00~ [ 釈迦如来 ] (若葉会による公演)
19:00~ [ 土蜘蛛 ]
※清凉寺・嵯峨大念佛狂言では申込みの受付けはしていません。
お問い合わせもご遠慮下さい。
嵯峨大念佛狂言の定期公演について
春(4月)と秋(10月)の定期公演と、清凉寺お松明式(3月)、渡月橋上流にて開催される嵐山もみじ祭(11月)などで公演を行っております。
狂言堂は清凉寺境内の西北にあります